寿司米のこと【抜群のシャリ】
Outstanding SUSHI・RICE
寿司の味を決めるのはネタだけではありません。実は、その土台となるシャリこそが寿司全体の完成度を左右します。本稿では、寿司米の炊き方、水加減、品種銘柄、一般米との違い、保存方法まで──米屋の視点で「抜群のシャリ」を生むための要点を整理します。

寿司米の炊き方と水の量|炊飯器で仕上げる
家庭でも寿司店に近いシャリ感を出すための基本工程です。
- 洗米
研がずに、やさしく水を替えながら4回ほど洗います。 - 浸漬
洗米後の寿司米を冷蔵庫で約90分浸漬。
※ざる上げはせず、必要であれば昆布を一緒に入れます。 - 水加減
炊飯器内釜の「すし」目盛りに合わせます。
シャリはやや硬めが理想のため、水は気持ち少なめが基本です。 - 炊飯
「早炊きモード」で一気に炊き上げます。 - 仕上げ
炊き上がったらすぐにおひつへ移し、すし酢を回しかけます。
うちわで風を当てながら、切るように混ぜる「シャリ切り」を行います。 - 完成
粗熱が取れ、米肌にツヤが立てば完成です。
寿司米、その違い【熟成が生む食感】
寿司米に求められるのは、次のような特性です。
- ほどよい粘りと弾力
- 粒感と粒立ち
- すし酢の絡みの良さと後味のキレ
一粒一粒がほろりとほどけ、存在感はありながらも、主役であるネタを引き立てる脇役であること。
しかし、ネタと一体化した瞬間、シャリは寿司の価値を決定づける存在になります。
寿司米が一般米と違う理由
寿司米は、シャリにしたときに
- 過度な粘りやべたつきが出ない
- 職人の手の中で「手離れ」が良いこと。操作性・作業性が良い
ことが求められます。
そのため、多くの寿司店では新米よりも古米を好みます。
理由は、
- 新米特有の水分量と粘りが落ち着く
- すし酢の乗りが良くなる
- 手触りが良く、美しく握りやすい
からです。
通常、寿司米は最低でも半年以上、「米蔵」で熟成させます。
水分が適度に抜け、米粒内部の組織が締まることで生まれる「枯れ感」──これこそが寿司米の決め手です。
抜群のシャリ|寿司米に適した品種銘柄

寿司米として評価の高い代表的な品種は以下の通りです。
- 岐阜|ハツシモ
- 愛知|あいちのかおり
- 宮城|ササニシキ、ささ結
- 岡山|アケボノ
- 滋賀|日本晴
岐阜・ハツシモ
晩成種の大粒米で、初霜の頃に収穫されることが名前の由来。
主に岐阜県西濃地区のみで栽培され、「幻の米」とも呼ばれます。
大粒で見映えが良く、やや硬めの食感が寿司に最適です。
愛知・あいちのかおり
ハツシモを母にもつ品種。
大粒でクセがなく、シャリとして非常にバランスが良いのが特徴です。
主に愛知県内で栽培されています。
宮城・ササニシキ
かつてはコシヒカリと人気を二分した名品種。
粘りが控えめで、和食全般との相性が抜群です。
倒伏・病害・冷害に弱く、現在ではかなり希少な存在となっています。
日本のお米の系譜と寿司米
日本のうるち米は大きく分けて、
- 西日本の「旭」系統
- 東日本の「亀の尾」系統
をルーツとしています。
現在主流のコシヒカリは亀の尾系。
一方、ハツシモ・あいちのかおりは旭直系の大粒種で、寿司職人から高い支持を得ています。
保存方法

寿司米の保存方法は一般米と同様です。
おすすめは冷蔵庫の野菜室での保存。
寿司米と一般米の違い(整理)
- 旭系統の米は寿司職人から特に評価が高い
- 新米より古米が適している
- あっさりした味と控えめな粘り
- シャリの存在感を出すため大粒種が理想
寿司米と酢
東海エリアでは、伝統の赤酢や、やや甘味のあるすし酢が好まれる傾向があります。
家庭では穀物酢でも作れますが、
- コク
- 香り
を重視するなら米酢がおすすめです。
まとめ|寿司米とは何か
- 存在感のある大粒種であること
- 旭系統の品種(ハツシモ・あいちのかおりなど)
- 握ったときの手離れの良さ
- シャリ切りしやすく、すし酢の乗りが良い
- べたつかず、適度な粘り
- 一粒一粒が美しくほどける
- 保水性が高く、食感を保ちやすい
迷ったら、五ツ星お米マイスターprof.のいる米専門店の当店にご相談ください
当店のこだわり
二段うまみ精米・熟成寿司精米

二段うまみ精米
お米そのものの味を損なわないために、通常1回でする精米を2段階に分けて精米
熟成された寿司米は、精米においてもより繊細な取り扱いが必要
たとえば、精米においては温度と湿度の急な変化は米粒の割れを引き起こしかねないので、取扱いには細心の注意を払います

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