スポーツ前の食事は炭水化物が最重要|米のプロが解説する持久力を上げるご飯とおにぎりの科学

まとめ

  • 持久力スポーツで最重要の栄養素は炭水化物
  • 持久力は運動前のグリコーゲン量にほぼ比例する
  • 炭水化物不足は回復力低下・疲労蓄積・怪我リスクにつながる
  • 試合前の食事は肉中心よりご飯中心が理想
  • 手軽で理想的な補給食は「おにぎり」

Q&A(よくある疑問)

Q. 試合前は肉を食べた方が力が出ませんか?
A. いいえ。試合前のエネルギー源として即効性が高いのは炭水化物です。特に持久力が問われる種目は普段から筋グリコーゲン量の回復を意識してください。

Q. 炭水化物を減らすと体は軽くなりませんか?
A. 一緒に保持している体内の水分が減るのでが一時的に体重は減ります。しかし筋肉のパフォーマンス低下で筋肉量も低下。結果、基礎代謝量も低下するのでリバウンドしやすいです。

Q. 運動前に最適な食べ物は?
A. ご飯やおにぎりが最適です。消化が良く、効率よくエネルギーを補給できます。


第1章 持久力アップには何と言っても炭水化物

冬はマラソンなどの大会が多く開催され、持久力が求められるスポーツに挑戦する方も増える季節です。フルマラソンは非常に過酷な競技であり、事前の身体づくりと栄養管理が欠かせません。

こうした持久力を必要とする運動に最も重要な栄養素が「炭水化物」です。運動中、体は多くのエネルギーを消費しますが、その主なエネルギー源となるのが体内に蓄えられた糖質(グリコーゲン)です。

生化学者バーグストロームの有名な研究では、同じ被験者でも食事内容を変えることで運動能力が大きく変化することが示されました。特に持久力は、運動前に蓄積されたグリコーゲン量にほぼ比例して向上することが分かっています。

そのため試合前や大会前は、ご飯を中心とした食事を摂ることが理にかなっています。
「勝負飯は焼肉やカツで気合いを入れる」という話もよく聞きますが、本当に結果を出したいなら、一度食事内容を見直してみる価値はあるでしょう。


第2章 体力回復にも炭水化物が大きな役割

炭水化物の重要性は、持久力向上だけではありません。
アメリカの研究では、炭水化物摂取量を40%と70%に分けた食事を3日間続け、1日2時間の運動を行ったところ、炭水化物40%群は運動機能の回復が著しく低下することが報告されました。

炭水化物を十分に摂取した70%群では、トレーニングで減少した筋グリコーゲンが食事とともに回復しましたが、40%群では回復が追いつかず、トレーニングを重ねるごとに蓄積量が減少していきました。

この状態が続くと、体力低下だけでなく脳機能にも悪影響を及ぼし、典型的なオーバートレーニング症状へとつながります。回復が間に合わないまま練習を重ねると、疲労が蓄積し、最悪の場合は怪我や競技離脱のリスクも高まります。


第3章 スポーツに最適なおにぎりの魅力

運動強度の高いスポーツでは、筋肉に蓄えられたグリコーゲンが最も重要な燃料になります。したがって、運動前日や当日の朝にご飯などで十分な糖質を蓄えておくことが、持久力向上の鍵となります。

繰り返しになりますが、持久力は運動開始前のグリコーゲン蓄積量とほぼ比例します。つまり、しっかり炭水化物を摂るほどスタミナが持続し、運動後の回復も早くなります。

日本人にとって身近な炭水化物源といえば、やはりお米です。中でもおにぎりは、手軽にエネルギー補給できる理想的なスポーツ食といえます。

おにぎりは

  • 水分を含んだ消化の良い炭水化物(ご飯)
  • ミネラル豊富な海苔
  • 発汗時に必要な塩分(塩)
  • 疲労回復に役立つクエン酸(梅)
  • たんぱく質補給(鮭 など)

といった栄養を一度に摂取できる、非常に優れた食品です。

スポーツのパフォーマンス向上を目指すなら、トレーニングだけでなく食事も重要な要素です。ぜひ日々の運動や試合前の栄養補給に、お米やおにぎりを取り入れてみてください。


参考文献
京都大学名誉教授 森谷敏夫・日米連『お米の選択術』より