高温耐性米

【老舗米屋が解説】高温に強いお米(高温耐性米)とは?猛暑時代の“おいしいお米選び”と注目品種「あいちのこころ」

近年の夏は、昔と比べて明らかに暑くなりました。
そしてこの暑さは、お米の品質にも影響します。

「最近、お米のツヤが落ちた気がする」
「炊き上がりが少し軽い」
「白っぽい粒が混ざるようになった」

こうした声は、飲食店様だけでなく、ご家庭のお客様からも増えています。

そこで今、お米づくりの現場で注目されているのが
高温に強いお米(高温耐性米)です。

当店(米伍代目善太郎・小川屋米穀店)でも、近年はこの視点を重視し、
「その年の気候に合うお米」「料理に合うお米」を提案しています。

この記事では、名古屋の老舗米屋として現場目線で、
高温耐性米とは何か、注目品種、選び方のポイントを分かりやすく解説します。


高温耐性米(高温に強いお米)とは?

高温耐性米とは、夏の暑さが厳しい年でも、品質が崩れにくい品種のことです。

お米は、実が育つ時期(登熟期)に気温が高すぎると、次のような影響が出やすくなります。

  • 白っぽい粒が増える(白未熟粒)
  • 粒が割れやすくなる
  • 炊き上がりのツヤが弱くなる
  • 食味が落ちる(甘み・粘り・香りの低下)

つまり「猛暑」は、お米の見た目・味・炊き上がりに直結します。


「高温耐性」という言葉は一般的ではないが、米づくりの現場では重要になっている

一般のお客様にとって「高温耐性」という言葉は、まだ馴染みが薄いかもしれません。
しかし、お米の産地や農家さんの間では、すでに重要なテーマです。

実際に今は、各産地が

  • 暑さに強い品種へ切り替える
  • 栽培方法を変える
  • 収穫時期を調整する

など、気候変化への対応を進めています。

「昔からある銘柄米を作れば安心」という時代ではなく、“環境に合う品種を選ぶ時代”に変わってきています。


高温の影響は「味」より先に「見た目」に出やすい

猛暑による影響は、最初に見た目に出ることが多いです。
炊き上がりのツヤや粒立ちが弱くなったり、白く濁った粒が目立つことがあります。

特に飲食店様や給食施設様では、

  • 見た目の印象(提供時の品質感)
  • 大釜炊飯でも安定するか
  • 冷めた後の食感が落ちないか

こうした点が重要になります。


【注目】愛知県の新品種「あいちのこころ」とは?

あいちのこころ 高温耐性米 善太郎Zentaro小川屋米穀店

近年注目されているのが、愛知県の新品種
「あいちのこころ」です。

あいちのこころは、近年の課題となっている「猛暑」と「病害虫リスク」に対応するために育成された、次世代型の品種です。

この品種は、愛知県とJAあいち経済連が共同で開発し、
生産現場で安定して作れることを重視して育成されました。


あいちのこころの特徴は「高温対策」と「害虫対策」の両立

あいちのこころは、単に“食味が良い”だけの品種ではありません。
現代の稲作に必要な性能を組み込んだ品種として注目されています。

育成の狙いは大きく2つです。

  • 高温登熟性(猛暑でも品質が崩れにくい)
  • 害虫抵抗性(ツマグロヨコバイ抵抗性)

つまり「猛暑+害虫」という、これからの米づくりの課題に対応した品種です。


あいちのこころの育成背景(交配・系統の流れ)

あいちのこころは、次のような育種背景を持っています。

  • 母系:愛知118号(あいちのかおりSBLにツマグロヨコバイ抵抗性を付与し、さらに高温登熟性を導入した系統)
  • 父系:あいちのかおりSBLに「早生(早く収穫できる)」遺伝子を導入した系統

この交配により、

  • 高温に強い
  • 害虫抵抗性がある
  • あいちのかおりより少し早く収穫できる

という特性を持つ品種として育成されました。


あいちのこころの歩み(年表)

あいちのこころは比較的新しい品種で、普及までの流れも明確です。

  • 2016年:交配(育成開始)
  • 2019年:系統名「愛知135号」となる
  • 2023年9月:愛知県の奨励品種として採用
  • 2025年:一般への種子供給が開始

この流れから見ても、まさに「これからの愛知県を代表する新品種」として期待されていることが分かります。


あいちのこころの食味は「さっぱり+程よい粘り」

当店が注目している理由は、性能だけではありません。
味の方向性が非常に“使いやすい”のも魅力です。

  • 食味はさっぱり系
  • ただし適度な粘りがある
  • 炊き上がりのバランスが良い

そのため、ご家庭用としても、飲食店様の業務用としても、幅広い用途が期待できます。


高温に強い(高温耐性があるとされる)お米一覧【品種まとめ】

※地域や年によって差があるため、一般論として「評価されやすい品種」をまとめています。

  • あいちのこころ
  • にじのきらめき
  • はなえちぜん
  • にこまる
  • あきさかり
  • きぬむすめ
  • なつほのか
  • つや姫
  • 雪若丸
  • サキホコレ
  • シラヌイ
  • さがびより
  • 夢しずく
  • 元気つくし
  • くまさんの輝き
  • ふさこがね
  • みずかがみ

高温耐性米が選ばれる理由(業務用・家庭用どちらにもメリット)

高温耐性米は、飲食店様などの業務用だけでなく、
ご家庭のお客様にもメリットがあります。

  • 炊き上がりのツヤが安定しやすい
  • 粒立ちが良く、見た目がきれい
  • 夏でも食べ疲れしにくい(さっぱり系が多い)
  • お弁当やおにぎりでも崩れにくい品種がある

「夏はごはんが進まない」という方にも、相性が良いことが多いです。


高温耐性米は“万能”ではない。料理との相性が重要

高温耐性がある品種でも、味わいの方向性はさまざまです。

  • 粒感が強いタイプ(丼・カレー向き)
  • 粘りが程よいタイプ(定食・和食向き)
  • 冷めても食感が保ちやすいタイプ(お弁当・給食向き)

当店では五ツ星お米マイスターとして、
お客様の用途・好みに合わせてご提案しています。

また業務用では、単一銘柄だけでなく、
オリジナルブレンド提案も可能です。


小川屋米穀店・善太郎が大切にしているのは「精米したての鮮度」

品種がどれだけ良くても、精米後に時間が経つと風味は落ちます。

当店では基本として、ご注文後に精米し、
できる限り鮮度の良い状態でお届けしています。

  • 業務用:安定供給と用途提案
  • 小売:暮らしに寄り添う米選び(お米のコンシェルジュ)

同じ“お米屋”でも、目的に合わせた提案を大切にしています。


名古屋市内中心に配送。業務用の定期配送も対応

小川屋米穀店では、名古屋市内を中心に、業務用米の納品を行っています。

対応例:

  • 飲食店
  • 病院
  • 老人ホーム・介護施設
  • ホテル
  • 給食センター
  • 保育園・こども園
  • 公的施設

小ロットから大口まで、用途に合わせてご相談いただけます。


まとめ:猛暑時代は「お米選び」が変わる。注目は高温耐性米

これからの時代は、気候の変化に合わせて
「その年に合うお米を選ぶ」ことがますます重要になります。

高温耐性米は、まさにその中心にある考え方です。

そして愛知県の新品種 あいちのこころは、
高温対策だけでなく害虫抵抗性も備えた、非常に注目度の高い品種です。

当店では、こうした新しい動きも踏まえながら、
お客様にとって最適なお米を提案し続けていきます。


お米のご相談は当店へ(業務用・ご家庭用どちらも対応)

「家庭用で、夏でもおいしいお米が欲しい」
「飲食店で、炊き上がりが安定する米を探している」
「品種を変えるべきか相談したい」

そんな時は、お気軽にご相談ください。

▶ お問い合わせは公式ホームページのお問合せかLINEよりお願いいたします。
https://zen-kome.com


愛知県農業試験場


農林水産省水稲品種「愛知135号」 多収栽培マニュアル