
きびもち【食べ方・栄養・材料と作り方・味】
当店では、ずいぶん以前から冬の寒い季節になると「きびもち」を杵つきで搗いてきました。
いまでは少し珍しくなった「きびもち」ですが、実は昔から日本の食文化の中で親しまれてきた、素朴で滋味深いお餅です。
今日、とあるお客様からきびもちのご注文をいただいたことをきっかけに、
この「よみもの」では 「きびもちとは何か」 を、米屋の目線であらためてまとめてみようと思います。
きびもちとは?

きび餅(きびもち) は、日本の伝統的な雑穀餅のひとつ。
主な材料は 「きび」と「もち米」 だけという、とてもシンプルなお餅です。
使用する「きび」は、そのままでは灰汁(あく)が強いため、
何日もかけて丁寧に灰汁抜きを行い、その後もち米と一緒に蒸し上げ、
杵で搗いてひとつのお餅に仕上げます。
一見素朴ですが、
✔ 下処理に手間がかかる
✔ 雑穀の扱いには経験が必要
✔ 手作業でないと美味しさが出にくい
といった理由から、いまでは作るお店もずいぶん少なくなりました。
地域や家庭によって、
・きびの配合割合
・食感の残し方
・甘さや渋みの出し方
などに違いがあり、その土地ごとの味わいがあるのも、きびもちの魅力です。
きびもちの食べ方
きびもちの楽しみ方は、実にさまざまです。
昔ながらの食べ方としては
・あんこ
・きな粉
・砂糖醤油
といった甘味と合わせる食べ方が定番。
また、
・焼いて香ばしくしてからお雑煮に
・白もちと同じ感覚で磯辺焼きに
・小さく切ってお汁粉に入れる
といった楽しみ方もあります。
最近では、料理サイトなどを見ると
・揚げ餅
・和風グラタン
・雑穀餅スイーツ
など、現代風にアレンジされたレシピも多く見られますね。
これを読まれている方も、
ぜひご自身のお好みや用途に合わせて、きびもちの楽しみ方を見つけてみてください。
ちなみに私個人としては、
白もちと同じように焼いて、醤油につけて食べるのが一番好きです(笑)
きびの風味がいちばん素直に感じられる食べ方だと思っています。
きびもちの栄養
きびもちは、見た目以上に栄養価の高いお餅です。
含まれている主な栄養素は
- 鉄分
- 亜鉛
- 食物繊維
- ポリフェノール
- ビタミンB群
- ビタミンE
鉄分は貧血予防に、
亜鉛は免疫力の維持や味覚の健康に役立つといわれています。
また、
きび特有の黄色い色素はポリフェノールによるもので、
抗酸化作用が期待でき、体を内側から整えてくれます。
白いお餅に比べると、
✔ 食物繊維が多い
✔ 雑穀由来のミネラルが豊富
という特徴があり、
冷え性が気になる方や、日々の食事に雑穀を取り入れたい方にもおすすめです。
意外に思われるかもしれませんが、
きび餅は比較的低カロリーなのも嬉しいポイントですね。
きびもちの材料と作り方
当店のきびもちは、
原料は「きび」と「もち米」だけ。
余計なものは一切使いません。
作り方の流れ
- 作る4〜5日前から「きび」を冷水に浸す
- 毎日水を替えながら、丁寧に灰汁抜きを行う
※この工程を怠ると、えぐみが残り美味しくなりません - 灰汁が抜けたきびと、一晩以上ひやかしたもち米を一緒に蒸す
- 蒸し上がったら、杵で搗く
- きびの粒感を残しつつ、全体がまとまったら完成
とても手間のかかる作業ですが、
この工程をきちんと踏むことで、
きび本来の風味と、もち米のやさしい甘みが引き立ちます。
きびもちの味・食感

きびもちの最大の特徴は、
✔ プチプチとした食感
✔ ほのかな渋みと香ばしさ
白もちにはない、雑穀ならではの個性があります。
噛むほどに広がる素朴な風味は、
どこか懐かしく、ほっとする味わい。
甘いものと合わせてもよし、
塩気のある料理と合わせてもよし。
意外と懐が深いお餅です。
安心してお召し上がりいただくために
ちなみに、当店のお餅は
添加物・保存料などは一切使用していません。
素材と製法にこだわり、
昔ながらの方法で搗いたお餅を、そのままお届けしています。
どうぞ安心して、
季節の味としての「きびもち」をお楽しみください。
